深く静かに潜航せよ
戦後十数年たつと日本やアメリカでは戦争映画が盛んに作られた。「深く静かに潜航せよ」(1958)はクラーク・ゲーブルとバート・ランカスターの共演が見所である。1958年というと「若き獅子たち」(エドワード・ドミトリク監督)、「突撃」(スタンリー・キューブリック監督)、「人間の条件」(小林正樹監督)などがある。戦争映画は二種類に分かれる。戦争のもつ非人間性を告発した反戦映画と攻防戦や飛行機、戦車、軍艦などのアクション映画である。「突撃」や「人間の条件」が反戦映画なら、「眼下の敵」(ディック・パウエル監督)などは潜水艦と駆逐艦の攻防を描いた戦争アクションの代表作であろう。この「深く静かに潜航せよ」も「眼下の敵」の路線をねらった作品であろう。第二次大戦の豊後水道は日本海軍が太平洋へ出る重要な海域である。ここで昔、リチャードソン艦長(クラーク・ケーブル)は駆逐艦アキカゼに潜水艦を撃沈され、多くの艦員を戦死させてしまった。いつか駆逐艦アキカゼに復讐しようと考えていた。潜水艦ナーカに乗ってリチャードソンは豊後水道に向かう。軍の命令に違反して、駆逐艦を攻撃する。副官ジム(バート・ランカスター)や艦員らと対立する。日本の駆逐艦との攻防戦はいつもながらスリルがあるが、57歳のゲーブルはさすがに往時の精悍さは欠く。ともかく潜水艦の緊張感は映画で十分に堪能できる。
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