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2009年9月 6日 (日)

不倫と純愛のあいだ

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   男と女が初めて出会ったのは、人影のない手術室前の廊下だった。配偶者の事故の知らせを聞き病院にかけつけたインス(ペ・ヨンジュン)とソヨン(ソン・イェジン)。どちらも意識不明の重態で、不倫関係にあったことを知る。病院の近くのモーテルに部屋をとり、それぞれ妻と夫の看病をしながら二人は同じ時間を共有していく。インスは同じ境遇に置かれたソヨンに惹かれ始める。事故からほぼ1年が経ったころ、インスは妻と別れた。そのとき4月なのに雪が降ってきた。インスは三陟(サンチョク)で4月に降ったあの雪を思い出した。インスはジャケットのポケットから携帯電話を取り出して、電話する。インスは、どのような思いでこの雪を眺めているのだろうか。そして、ラストシーン。車中の2人はこのままどうなるのか。その解釈は観客に委ねるということであろうか。身を切られるほど切ない大人の純愛物語である。

  ホ・ジノ監督の第1作「八月のクリスマス」は、八月に偶然知り会った男女の、恋愛までの、恋の予感を感じさせる時期の物語である。そして第2作の「春の日は過ぎゆく」も、ふとしたことで知り会った男女が恋人同士になったあと、またふとしたすれ違いで別れてしまう、ただ、それだけの話である。ホ・ジノの世界は何も起こらない日常の小さなドラマといわれる。だが何ともいえない、情感と余韻のある恋物語である。

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コメント

>身を切られるほど切ない大人の純愛物語である。

ふうん、そうですかねえ……。

まあ、わかりました。

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