恐怖の口裂け女
新型インフルの流行でマスクをする人を見かけるようになった。マスク姿には恐怖をおぼえる。昭和53年12月ごろのことだ。岐阜でこんな噂が起こった。夕暮れになると、白いマスクをした若い女性が街頭に現われ、通りすがりの人に、「私、きれい?」と話しかけ、突然マスクを取ると、その口は大きく耳ので裂けている。通行人は驚いて逃げると、赤いマントから鎌を出して追いかけてくる。必死に走るが追いつかれると、噛みつかれて、低い声で笑い出して、その場を走り去っていくというのだ。金品が奪われるケースもある。この話はたちまち全国に広がり、テレビのワイドショーにも取り上げられた。女はサングラスをかけているが、外すと大きな眼の美人だ。爪はマニュキアがしている。いつとはなく、口裂け女の噂はデマであることが判明し、誰も信ずる人はいなくなった。
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