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2009年9月24日 (木)

横光利一の欧州俳句紀行

Photo 欧州旅行時のパスポート

    横光利一(1898-1947)は芭蕉を深く敬慕し、約400句近い俳句を残している。昭和11年には新聞社の特派員として、ベルリンオリンピックの観戦のためヨーロッパ旅行を初体験する。アジア、アフリカの港に立ち寄りながら地中海に入って、1ヵ月余りかけてマルセイユに着いた。次のような渡欧の船上での句が残されている。

  王の夢むかしの夢のスフィンクス

  紅き海名のみにすぎぬ夏の空

  石に残るアラビア文字の懐かしき

  コンコルド女神老けにし春の雨

  シャンゼリゼ驢馬鈴沈む花曇

  俳句のことはよく判らないが新感覚派の旗手にしては、いささか月並みな句のように思える。利一の渡欧生活は楽しいものだったのだろうか。本業の小説のほうは、この渡欧体験から長編小説「旅愁」が10年の歳月を費やして書き継がれるが、未完のまま没した。利一は異国の地で、西欧文化に対して日本の美的倫理を再認識したそうだ。パリでの日記には「ここの事は書く気が起こらぬ。早く帰ろうと思う」「巴里にいると、日本の田舎の温泉に行きたくて仕方がなくなる。」とある。

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