無料ブログはココログ

« 長者の万灯より貧者の一灯 | トップページ | ドラマの中では秀頼は誰の子か? »

2009年8月21日 (金)

青衣の女人

Yuki

  鎌倉時代のある時のこと、集慶というお坊さんが東大寺の修二会(三月に行われる厳しい行法)で、過去帳を読み上げていると、青い衣を着けた美しい女の人がすうっと闇の中から現れた。そして、いかにも恨めしそうな細い声で「どうして、私の名前を呼んでくださらないのですか」と言った。女人禁制の場所に、このような女の人が現われるわけがない。集慶は余りのことに幻かと自分の眼を疑った。集慶は咄嗟に低い声で、「青衣の女人」と読み上げた。すると、美しい女人は、いかにも満足したように微笑をうかべて、闇の中へ消えていった。修二会の「東大寺上院修中過去帳」には、この名も分からない「青衣の女人」の名が加えられ今もなお読み継がれているという。

« 長者の万灯より貧者の一灯 | トップページ | ドラマの中では秀頼は誰の子か? »

昔話・民話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 長者の万灯より貧者の一灯 | トップページ | ドラマの中では秀頼は誰の子か? »

最近のトラックバック

2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30