「世界のミフネ」のご先祖はサムライではなくて山伏か?
秋田と山形との県境に日本海の波打ち際に聳える鳥海山は昔から霊峰として仰がれ、信仰登山が盛んに行われていた。映画俳優三船敏郎(1920-1997)の父三船徳造は、鳥海山の麓にある寒村・由利本荘市鳥海町小川の出身。三船家は代々修験道を司る家系で、黒石神社は神仏習合による鳥海山大権現を祀る。修験道とは、山中の修行により霊験や呪力を身につけることを目的としている仏教で、密教に基づき、神仏いずれにも仕え、山伏や法印とも称されていた。つまり三船敏郎の男性的な声や風貌は日本古来の山伏の姿を彷彿させるものがある。「世界のミフネ」は武士のイメージが強いが、厳密にいうと修験道や山伏を体現化しているものである。徳造は中国青島や大連で写真業を営んでいたが、いつ中国へ渡ったか明らかではないが、おそらく大正初期のことであろう。つまり明治末期に徳造は写真技術を習得したのであろう。明治の西欧化の波は秋田にも及び、修験道の伝統ある三船家も転業を余儀なくされた。三船敏郎が映画会社に入社したのも写真技術の知識があたためであろう。明治の近代化の余波によって親子二代の労苦の中から国際的スターが誕生したのである。
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三船家の先祖についてですが、かなり違います。私は三船家とはかなり系統は離れていますが、先祖は同じなので系譜図も持っています。三船家の大先祖は1600年代に稲葉何某といい水戸藩士でしたが、脱藩し当時秋田県雄勝郡仙道村に名主として移住しましたが諸事情があって、その後現在の鳥海町小川に越してきました。親戚からは名主とか庄屋をやっていたと聞いています。三船敏郎氏の父は徳蔵氏ですが、その父は三船順貞で第12世になります。私の先祖はその順貞氏の父佐造氏(第11世)の弟の兼五郎です。他のブログでも山伏とか修験者とか言う方がありますが、親戚からも一度もそのようなことは聞いたことが無く、名主だったと聞いています。ちなみの三船家の第6世(寛政年間)の長男に林観坊という盲目の長男がいましたが、家督相続ができず分家しています。ひょっとするとその方がお寺関係かもしれませんが。三船敏郎氏の風貌から山伏のように想像するかもしれませんが、先祖は侍であり水戸藩士であったことは間違いないと思います。
投稿: ゆかりのあるもの | 2009年12月 6日 (日) 01時20分
「世界のミフネ」「男性№1」「古武士」多数の形容を持つ一日本人が、長い歴史的風土の中から生まれたことに大変感動をおぼえます。詳細なお便りをくださり、ありがとうございます。
投稿: ケペル | 2009年12月 6日 (日) 08時03分
早速のご返答ありがとうございます。私も年にしてまだ45歳ですが、自分の先祖の出自には大変関心がありますので、貴殿が調べた内容も大変貴重と思います。ただ、私も言い伝えでしかない部分、また系譜図のみですので明確に出来ないのも事実であります。実は大先祖の稲葉何某は水戸藩を脱藩後、秋田に名主として入っていますが、雄勝郡仙道村の土地の者と折り合い合わず、意思疎通が欠けたため大先祖は家を焼かれて鳥海村小川に越してきたのも事実のようです。三船敏郎氏もきっと先祖の伝聞を聞いてると思いますが、「七人の侍」を見ていると、敏郎氏の心の中に、何となくそんな大先祖のいたらない部分に、敏郎氏自信演技の中で気持ちを表したのでないかと、あの映画を何度見ても思います。三船家に興味関心を頂き本当にありがとうございます。
投稿: ゆかりのあるもの | 2009年12月 6日 (日) 21時25分
秋田出身です。
母は旧姓・三船です(祖母の家系の姓)。
昔から、「三船敏郎」と遠い親戚らしいという漠然とした話のみ聞かされてきました。
祖祖母・ノブは昔、立派な家にいたけれど、家が「かまきゃした」(「破産」の秋田弁)とやらで、その後転々とし、何度か夫に先立たれ再婚を繰り返したようです。
祖祖母の先祖の墓は鳥海町にあり、一度、行ったことがあります。
40歳になって、自分のルーツが気になりはじめましたが、だんだん聞くべき人がいなくなっています。
早速、年末年始に帰省したら母に根掘り葉掘り聞いてみたいと思います。
投稿: ゆかりあるかもしれないもの | 2009年12月17日 (木) 23時25分
ゆかりあるかもしれない方へ。おそらく三船家の方だと思います。僕の手元にある系譜図では三船敏郎氏の祖父である三船家第12世三船順貞氏の兄弟姉妹にノブノさんという方がいらっしゃいます。系譜図ですから若干の字の違いはあるかもしれませんが、このノブノさんは母方の実家の佐藤林七さんに嫁いでいます。僕の身内から聞く三船と佐藤の話でもやはり本家が大変厳しい生活だったそうで、分家であった僕の曽祖父は自分の妻子と一攫千金北海道に渡り、祖父の佐藤和一は志願兵上がりの准尉として旧第7師団にいました。やはり秋田から出てきて苦労したと聞いています。なんだかこのブログを使わせて頂いて三船家の話が出来ること。大変恐縮します。
投稿: ゆかりのあるもの | 2010年1月 7日 (木) 22時11分
三船家のみなさんがこのブログで情報交換できてオーナーとしても嬉しいです。お話はとても複雑でわかりませんが…。もっと多くの情報を集めて、ルーツのクンタキンテをさがして、ご先祖様の苦労があって今の自分があるという実感が大切ですね。
投稿: ケペル | 2010年1月 8日 (金) 09時22分
わたしの父は小川出身で、よく本家にお邪魔してました。祖父も徳蔵一家と満州にいっていたそうです。
しかしそんなルーツがあるとは知りませんでした。
なんとかして系譜図をみせてほしいです。
投稿: ゆかりのあるもの2 | 2010年7月30日 (金) 01時16分
大先祖は水戸ですか?
でも、顔立ちは秋田県人という感じがします。秋田の血が濃い?
投稿: 賢 | 2010年9月18日 (土) 16時59分
母が鳥海出身で、実家に敏郎さんが来たことがあります。
やはり、どんなルーツなのか気になります。
投稿: HIRO | 2011年4月30日 (土) 17時22分
大震災で自信を失い、進むべき道を失っている今こそ、われわれの先祖がたどってきた道を探ることは必要ですね。いま日本列島に住んでいる人々も4万~5万年くらい前に大陸から、あるいは南方から、北方から渡ってきた。そして元をたどれば世界の人類はみんなアフリカからの子孫。気の遠くなるような大昔からつながっています。
投稿: ケペル | 2011年5月 1日 (日) 08時33分
この項目、面白過ぎて読み入ってしまいました。いつの時代に遡っても、必ず私達の先祖はいて、必死に生き抜いて子孫を残したからこそ、現在自分がここに生きているのですよね。
投稿: | 2014年8月 8日 (金) 17時53分
三船敏郎は、武士ももちろんの事ですが、「無法松の一生」の松五郎役、実にはまり役で、今現在、あの男気を出せる俳優はいないなぁ、と思います。
投稿: | 2014年8月 8日 (金) 18時02分
こんにちは。
私は三船氏とは関係ありませんが私の父方祖先が山伏と聞いて育ちました。
本家の現在90代の人の曽祖父7代前らしき山伏の法螺貝があり見たことがありました。
しかし最近になって武士だったことがわかりました。戦いに負けて山伏として逃げたらしいのです。
三船氏も武士の出で途中、親戚の中に山伏に
なったものがいたのかもしれないなと思いました。
投稿: キーワードを入力 | 2015年12月11日 (金) 00時08分
初めまして、私の祖母が来年99歳になることから家系図を作っています。以前に叔母から祖母は三船敏郎と親戚だと訊いておりましたのでどうにか家系図が繋がらないかと可能なつてを辿り戸籍を集めておりますが行き詰まってしまいました。
もしも心当たりがございましたらご連絡頂けると助かります。
祖母の母の名前は三船セツ(旧姓)、セツの母は三船トキで4人姉妹らしいです。
どうぞよろしくお願いします。
投稿: カドヤ ヨシノリ | 2019年12月11日 (水) 18時23分
追伸
トキの父親、三船隆紹(たかのぶ)
隆紹の父親、奨司朗
です。
投稿: | 2019年12月11日 (水) 19時06分
私の先祖も現在の茨城県大子町から秋田県湯沢市山田字松岡、間木ノ沢に移住してきた山伏です。同じような伝承を持つ方はおりますでしょうか。
投稿: 常州下り | 2021年5月31日 (月) 00時23分
カドヤ ヨシノリ様
はじめまして。
追伸欄を拝見いたしました。
私も先祖のルーツを調べており、私が存じ上げているお名前でしたのでコメントをさせていただきました。
私は、隆紹さんの父親が直系の先祖に当たります。
隆紹さんは 「たかのぶ」 ではなく 「りゅうしょう」 と読みます。
また、奨司郞さんは隆紹さんの父親ではなく息子になります。
また、トキさんは4人姉妹ではなく三姉妹の長女で、奨司郞さんの兄弟になります。(4人兄弟です)
きっと私は、カドヤ ヨシノリ様の遠い親戚筋に当たるかと思われます。
私の先祖である秋田の三舩家は、昔は修験者でした。
三船敏郎さんのお墓の文字をご覧になられてもお分かりかと思いますが、正確には 「 三船 」 ではなく 「 三舩 」 です。
いつの頃からか 「 三船 」 と書かれておりますが、古い戸籍上では 「 三舩 」 で表記されています。
ご参考になれば幸いです。
投稿: LIZU | 2021年8月 9日 (月) 20時26分