ジョージ・スタッブス
ジョージ・スタッブス(1724-1860)は美術史上最も偉大な動物画家である。リヴァプールの革職人の息子で、絵はほとんど独学で学んだ。年少のころに解剖学に興味を覚え、画家としてはきわめてめずらしく、実際に解剖を手がけた経験もある。彼の作品は、美術と科学への興味が一体となったもので、自然界を探求して理解したいという願望を反映している。ほかの画家にはまねのできない実験的な手法を試みたのも、この好奇心の賜物である。
スタッブスに盛んに絵を注文して偉大な作品を制作させたのは、貴族と富裕な新興中産階級だった。そうした作品のなかには、めずらしい動物の絵、馬の肖像画、カンヴァセーション・ピース(家族団欒画)、田園風景などがある。晩年の20年間は、野心的だが金銭的には報われることの少ない作品に取りかかったためか、借財をかかえることが多かった。彼は81歳でロンドンで亡くなった。
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