テトスのクレタ島への伝道の旅
パウロの良き伝道の協力者として知られるテトスのことについては、ギリシア人であることのほか何もわからない。ただエーゲ海の南部に浮かぶクレタ島に伝道したことは聖書「テトスへの手紙」(パウロ)によって明らかである。それによれば、クレタの人々は生まれつき好戦的、論争的な人々で、わがままで、権威に反抗的で、酒が何よりも好きだったので、テトスも伝道に苦労したようだ。しかしテトスは妥協しない。キリスト者の生活は、家庭でも、教会でも、権威に対しても、規律、従順、尊厳を求める。キリスト者として、権威を持って、キリスト者の基準をあくまで主張して伝道にあたった。「テトスへの手紙」(テトス1-15)に次のようにある。「清い人には、すべて清いのです。だが、汚れている者、信じない者には、何一つ清いものはなく、その知性も良心も汚れています。こういう者たちは、神を知っていると公言しながら、行いではそれを否定しているのです。嫌悪すべき人間で、反抗的で、一切の善い業については失格者です」神に対する信仰を弱めさせる説を提唱する者はこの21世紀も多くいる。初期の伝道者は決して妥協しなかったという事実をもっと考慮すべきことである。
« 稲田騒動と「北の零年」 | トップページ | ダビデの鍵 »
「キリスト教」カテゴリの記事
- 宣教医ベッテルハイム(2020.04.05)
- トビアの晩(2019.01.02)
- 大阪万博とモルモン教とゾウ(2020.04.06)
- 21世紀はなぜ2001年からなのか?(2016.03.17)
- ヴィア・ドロローサ(2016.01.10)
コメント