空くらい地くらい
退職後の暇人の生活は毎日連続ドラマを見て楽しむことにしている。連続テレビ小説「つばさ」とBS朝日で放送しているKBS「空くらい地くらい」。韓国では毎日放送されるドラマを「イルイル(日日)ドラマ」という。どちらもヒロインの恋愛を中心に大勢の人物が登場し、それぞれの家族愛が描かれている。どちらのドラマの展開が気になるかというと、断然「空くらい地くらい」のほうである。NHKのほうは玉木つばさ(多部未華子)と恋人(小柳友)よりも、片想いの鈴本スーパーの気の弱い青年(三浦アキフミ)を応援したくなる。「空くらい地くらい」は地位も経済力もないがあたたかい愛情のある家庭と、経済力はあるがバラバラの家庭との対比を描きながら、明るいヒロイン・ソク・ジス(ハン・ヒョジュ)に感情移入できる。ハン・ヒョジュは「春のワルツ」よりも、自然体で等身大の現代女性をふつうに演じられたと思う。恋人チョン・ムヨン(パク・ヘジン)も好感度抜群。除隊という設定も南北の緊張や前大統領の自殺という政治的状況がありながら、ハートフル・コメディに気持ちを安らぐ、韓国大衆の気持ちがわかる。日本ドラマのユーモアには、あざとい受け狙いが感じられて、その点が物足らない。
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