セントラルパークの四季
マンハッタン島のほぼ中央に位置するセントラルパークはニューヨーカーにとつて大切な憩いの場所。最初の渡り鳥が羽ばたく春から、冬の雪がふたたび訪れるまで四季折々の表情が美しい。
アメリカには19世紀半ばころまでは、どんな都市に行ってもまともな公園はなかった。1840年代にイギリスからピクチャレスクの建築と庭園が導入され、アンドルー・ジャクソン・ダウニング(1815-1852)が現われてアメリカ独自の木造住宅様式および自然と人工の融合というラウドン流の造園を提唱し、また各都市に公園が必要なことを説いた。これに刺激されて1851年にニューヨークにセントラルパークを建設する企画が立てられ、委員会はフレデリック・ロー・オルムステッド(1822-1903)の設計案(1858年)を採用し、1862年に一応の完成をみた。オルムステッドは340ヘクタールの長方形の敷地を二つに分け、自然の地形を生かし、変化の多い南側の地形に多くのレクリェーション施設を設け、東西に走る4つの横断路は園内の遊歩路と立体交差させるという独創性を示した。セントラルパークの成功によってアメリカ各地に公園が盛んに新設されるようになり、19世紀末にはほとんどすべての都市が公園をもつようになった。
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