立志と読書
ものしり博士ケペルは助手の上原ゆかりと2人で「女性の書斎ひとり好き」(兵庫県宝塚市)を経営している。読書は単に趣味や娯楽ではない。そういう要素もあるけれど、根本的にいえば読書は人間一生の大事であって、その方針を樹てるということは、生涯の精神プランを樹てることに他ならない。つまり読書は立志とともに始まる。「何でも考え、何でも知って、何んでもかんでもやってみよう」という精神で、知識を広く求めようとする志を立てることだ。むろん何事でもそうであるが、誰か他人の意見を聞いて、その他人の読書方針通りやっていればいいというわけにはゆかない。与えられた本にだけかじりついていればいいというわけではない。人は各々様々の問題を懐いているのであるから、たとえ迷っても自発的な求道心に第一の基礎を置かねばならない。と同時に長い間かかってたゆみなく勉強するつよい忍耐力を養う必要がある。多くの人の中には齢とってから学問をやる人もあるだろうし、閑暇の少ない人もあるだろう。また知的水準の低さを嘆いている人もあると思う。しかし、そういう一切のハンディキャップを克服する勇気、永続的な努力によって克服する意志が第一である。要するに、今すぐどういう本を読んだらいいかという目先のことだけでなく我々が一生かかって読む本、それに出合うことが読書の妙諦であろう。先人の書との出会い、さらにその持久的な研鑽、これによって我々の生涯は決定されるといってもいい。それほど読書は重大である。
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