裸眼でとらえた風景
素朴派礼賛の風潮は、19世紀末のパリで、ドイツの評論家ヴィルヘルム・ウーデや当時第一線で活躍した芸術家たちによって、アンデパンダン展(無審査展)に参加した税関吏アンリ・ルソー(1844-1910)の芸術が認められたことに始まる。ルソーの後、最も優れた素朴派の画家はアンドレ・ボーシャン(1873-1958)である。
フランス中部のシャトー・ルノーに庭師の息子として生れたボーシャンは、第一次世界大戦中に測量技術を習得し、技師となる。測量図の正確さを認められデッサンの勉強を続けるよう進められドローイングに興味を持つようになる。46歳を過ぎてから本格的に絵画を描き始めた。48歳の時、サロン・ドートンヌに出品した作品がアメデ・オサンファンやル・コルビュジュらに認められる。その作品は柔らかく上品な色調にまとめられ、自然への愛情に満ちている。
花咲ける丘
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