ハーデン・ヒッキーの夢
少しお金に余裕があって、もし無人島が格安で売られているとすれば、その島を買って、そこに別荘を建て一生を優雅に過ごしたいと思うかもしれない。だがそれはあくまで夢であってそれを実行する人はなかなかいない。
ところがアメリカ人のハーデン・ヒッキー(1854-1898)という人物はその無謀な夢を実行し、さらに独立国家を建設して自分は国王になろうとしたのだ。ヒッキーは、大西洋に浮かぶブラジルの無人島トリニダード(西インド諸島のトリニダード島とは別)を買い、自らトリニダード王ジェイムズ1世と名乗った。彼は、各国にトリニダードを承認するよう呼びかけたが、どこの国も相手にしなかった。やがて、ニューヨークに大使館事務局を勝手に置き、自分の肖像が入った公債証書や切手を売り始めた。1895年、イギリスはこの島を接収してブラジルに返還したが、怒ったヒッキーは外人部隊を率いてイギリスに攻め入ると息まいた。しかし、ついに誰にも相手にされずに生涯を終った。
さて、ここからは地名の話であるが世界中には同じ地名がたくさんある。トリニダードも少なくとも6箇所見つかった。あるいはもっとあるかもしれない。
①ウルグアイ
②キューバ
③トリニダード・トバゴ島
④ブラジル(島)
⑤ボリビア
⑥アメリカ西部コロラド州の都市
外国地名はカタカナ表記のため本によって多少の違いがある。⑥はトリニダッドと表記するものもある。ハーデン・ヒッキーが購入したという④の島は、ブラジル、エスビリト・サント州に属する無人島。一般にはトリニダデ島と表記されるが、別称・トリニダード島といわれている。火山岩からなり、海岸には険しい崖が多い。ビトリアの東方1.150㎞。長さ5㎞、幅2.8㎞。
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