パリと裸の大将
山下清(1922-1971)は、昭和36年にヨーロッパ旅行をして多くの作品(貼り絵、スケッチ、手記)を残している。パリのモンマルトルは映画館や芝居小屋がたくさんあって、東京の浅草みたいなところだと言っている。浅草とちがうところは、モンマルトルには絵かきがたくさんいることである。モンマルトルの絵は、ひやかす人が多くてあまり売れないので、関口さんにあれで食べていけるのかときいたら、ここにいる絵かきはみんなパリへ絵の勉強にきているので、倹約して暮らしているし、パリにはいろんな内職があるので、なんとか食べていける。どんな内職をするのかと聞いたら、ペンキ塗りなどはいい内職だそうだ。
やっとエッフェル塔にきた。いままでエッフェル塔は世界一に高かったのに、東京タワーができて世界で二番目になってしまったので、パリの人はがっかりしていると思ったら、エッフェル塔は高いだけが自慢なのでなくて、塔から見下ろしたパリの街の美しさを一番自慢しているので、からわないという。山下は兵隊のくらいになおすとエッフェル塔は退役の大将で、現役の大将は東京タワーだと思った。(参考文献:「裸の大将ヨーロッパを行く」ノーベル書房)
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