向坂逸郎と三池闘争
いまソニー、トヨタ、いすず、キャノン、パイオニア、東芝と大手企業のリストラ、解雇の嵐が吹き荒れている。思い出すのは戦後労働運動の分水嶺といわれ、昭和35年1月から10月にかけて三井三池炭鉱で闘われた大量解雇反対闘争、いわゆる三池争議である。1278人の指命解雇に反対する三池労働者は、武装警官隊、右翼暴力団、反動的裁判、中央労働委員会のごまかしの斡旋など、独占資本と自民党政府の一体となった攻撃にたちむかい、闘った。
がんばろう 突き上げる空に
くろがねの男の こぶしがある
もえあがる女の こぶしがある
闘いはここから 闘いは今から
「がんばろう」という労働歌は、三池闘争の中から生れた。三池労組は九州大学教授・向坂逸郎(1897-1985)の指導を得て組合学習活動が盛んだった。合理化を阻止できなかったとはいえ、この闘争は戦後史の一つの頂点であった。
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