重要性を増すインド洋
「西欧の没落」のオスヴァルト・シュペングラー(18880-1936)は、「エジプトはなにひとつ忘れることができなかった。だが、インドはいっさいを忘れた」と記している。
エジプト、中国、インドは古代文明の栄えた地域であるが、エジプト・中国が自国の歴史を語ることを好んだのに対して、インドはほとんどまとまった歴史・記録を残さなかった。インド亜大陸は中国と共に世界の大国であることは言うまでもないが、インドは海洋国家でもある。北のヒマラヤを除けば、東、西、南の三方は海に囲まれている。いま、世界はインド洋時代に入りつつあると考える。19世紀までは大西洋の周囲が世界史の主要舞台であり、20世紀は太平洋が主要舞台に加わったが、21世紀はインド洋に注目が集っている。海上自衛隊のインド洋の補給活動も、インド洋におけるテロリスト及び関連物資の海上移動の阻止、抑止を目的として行なわれている。11月26日、インド西部の商都ムンバイの中心部で発生した同時多発テロ事件は、イスラム過激派による「テロの脅威」が拡散している現実を改めて浮き彫りにした。その撲滅のため国際社会の一致した長期にわたる取り組みが必要である。
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