戦後育ちの歴史認識
最近「KY」は「空気よめない」の意味ではなくて、「漢字読めない」の略語だという。これは麻生太郎が漢字を読み間違える例が相次いでいるからだ。「未曾有」を「みぞうゆう」、「頻繁」を「はんざつ」と誤読した。最もひどいのは「村山談話を踏襲します」を「ふしゅう」と読んだことである。空幕長論文問題で政府の姿勢が問われる重要問題だけに、この件では支援していた流石の朝日新聞もズツコケたであろう。政治家の歴史認識がどの程度のものであるか疑わしいが、すくなくとも日本語の基礎である漢字くらいは勉強してほしいものである。
先日、「ごろ寝の人」さんからうれしいコメントをいただいた。やはり同世代の人とはどこかで共感できるものがあるのだろう。少年誌が空前の戦記ブーム、プラモデルも全盛だった。九里一平「大空の誓い」、小沢さとる「サブマリン707」、ちばてつや「紫電改のタカ」、吉田達夫「少年忍者部隊月光」、辻なおき「〇戦はやと」、園田光慶「あかつき戦闘隊」など。さらに詳しく知りたくなって「丸」を読んだりしていた。また小学館の「ホーイズライフ」は子供心にもカッコイイ雑誌だった。ところで、麻生太郎(昭和15年生)や鳩山由紀夫(昭和22年生)はどうやら良家育ちで漫画好きというが、昭和30年代の戦記ブームで育ったようには思われない。唐沢の論文に「田母神のどこが悪いんだ」というブログが多いことを指摘していたが、いま50代に「侵略戦争ではなかった」という考えを持つ人が多い背景には、おそらく昭和37年から40年までの少年誌の戦記ブームやアニメ「決断」で育った影響力が強いためだと考えている。村山談話の踏襲がたとえ政府の基本方針だとしても、子供のころに読んだ少年誌の影響のほうがはるかに大きいのだ。だが政治家一家で育った御曹司たちはそのような単純なものではなく、一般国民とはかけ離れた感覚の持ち主であるので、彼らの歴史認識はとても理解できかねる。
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