オードリー・ヘプバーンの離婚
「戦争と平和」のため乗馬の訓練をするオードリー・ヘプバーン
ケペルが映画雑誌を講読しはじめたころは、オードリー・ヘプバーンとメル・ファーラーは、おしどり夫婦として知られていた。昭和42年の二人の離婚は雑誌で大きく取り上げられた。ところが、すでに「映画の友」昭和30年7月号に「もろもろアルファベット帖」欄に次の記事がある。
【わからないもの】オードリー・ヘプバーンとメル・ファーラーの結婚継続年数。ビング・クロスビーの毛髪。ジョン・ウェインのラテン系女好き。ジョン・クロフォードの年齢。アラン・ラッドの貯金高(新潟・石崎敬輔)
むかしの雑誌には読者の投稿にもなかなか味のある記事が多い。「映画の友」を購読している層は若い人からかなりの年輩層まで幅が広かったようである。当時から、年輩の眼から見て、オードリーの結婚には疑問視していたファンもあったようだ。メル・ファーラー(1917-2008)は今年の6月2日、満90歳で亡くなった。才能豊かではあったが、女性関係は派手で、生涯に5度結婚している。オードリーは4番目の妻で、結局14年間も続いた。いまでは女性のお手本としてオードリー・ヘプバーンは伝説化されてしまったが、パラマウント時代のオードリーは、プリンセスのような気品であらゆる男性をとろけさせる魅力をもったアイドル女優だった。オードリーの結婚はウブで世間知らずで結婚願望の強い若い女性が、中年のプレイボーイの手に落ちたという感じがあって、メル・ファーラーへのやっかみは相当にアメリカでも強かったようだ。ブロードウェイの舞台「オンディーヌ」、「戦争と平和」、「緑の館」とオードリーと共演したときは順調であったが、離婚後のメル・ファーラーが十分な活躍できなかったのは、そのためではないだろうか。
オードリーとの離婚は、メルの女性関係が原因であると最近の雑誌にはある。相手はスペインの少女スターだったマリソルともフランスのカトリーヌ・ドヌーヴとも言われている。(「スクリーン2009.3」102頁)
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