「あんみつ」と橋本夢道
「あんみつ」とは餡蜜豆の略語で、要するに蜜豆に餡をのせたもの。最近では、白玉やクリーム、パイナップル、イチゴ、ミカンなどいろいろな種類もあるようだが、「あんみつ」に餡は絶対に欠かせない。蜜豆は一年中食するものであるが、夏の風物詩の一つとして俳句では夏の季語となっている。
みつ豆や笑い盛りの娘等ばかり
堤 すみ女
蜜豆をたべるでもなくよく話す
高浜虚子
「あんみつ」の歴史は意外と浅いようだ。昭和の初期にはまだ一般的なものではなく、東京でしか食べられないものだったらしい。昭和12年創業の銀座「月ヶ瀬」(:現在のコックドール)が翌年ころから「あんみつ」を売り出したところ人気メニューとなって広く普及していった。当時月ヶ瀬に自由律俳句で知られた橋本夢道(1903-1974)が勤務していた。そのポスターに「蜜豆をギリシャの神は知らざりき」というコピーを書いている。俳句にあんみつ、蜜豆はよく似合う。
« 北海道の赤とんぼ | トップページ | お姫さまだっこ »
コメント