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2008年10月12日 (日)

「秋」 リルケ

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樹の葉が落ちて来る

何処か遠くから落ちて来るみたいだ

遠い天上の庭で

樹々が末枯(すが)れているのかもしれぬ

なんだかみんな

否(いな)むような素振りをしながら落ちて来る

重いこの地球も

こうして夜ごと

すべての星たちの間から

孤独の中に落ちてゆく

われわれはみな落ちてゆく

ほら、この手だって落ちる

凝(じ)いっと他のものを見て見給え

これがすべてのものの運命なのだ

だが何処かに

こうしてすべてが落ちてゆくのを

無限にやさしく

その手に受け止めているものがある

            リルケ (1875-1926)

                            山口四郎訳

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