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2008年10月27日 (月)

生きものの記録

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    むかし「終着駅」(千家和也作詞)、「甘い生活」(山上路夫作詞)、「草原の輝き」(安井かずみ作詞)、「芽ばえ」(千家和也作詞) 、「バス・ストップ」(千家和也作詞)など歌謡曲の題名を洋画から借用すると何故かよくヒットした。城みちるの「イルカにのった少年」(杉さとみ作詞)も、ソフィア・ローレン、アラン・ラッドの「島の女」の主題歌「イルカに乗った少年」ではないか、と思っていたが、ある番組で城みちる自らが映画のパクリだったことを白状していた。

    これらは確信犯的なパクリだが、むかしは知らないで過去の作品と同じ題名になることもしばしばあった。黒澤明(1910-1998)の「生きものの記録」(昭和30)という映画も、題名が丸岡明(1907-1968)の小説「生きものの記録」と同一であることが制作段階で作家からの抗議で判明した。問題の小説は昭和10年に「三田文学」に発表され、芥川賞候補にもなり、翌年、沙羅書店から刊行されている純文学の名作である。大分、物議を醸したようだが、結局は示談となって、そのまま映画は公開された。

    ストーリーは、町工場の経営者、中島喜一(三船敏郎)は原水爆の実験に脅威を感じ、この地球上で安全な場所は南アメリカだと考える。しかし周囲の人々は彼の心配を理解せず、彼はついに発狂して、工場に放火していまう。当時35歳の三船が70歳の工場長をフケで熱演したが、興行的には失敗だった。半世紀のち、「生きものの記録」で検索すると、丸岡明には申し訳ないが、いまでは後発の映画作品のほうが有名になってしまったのも皮肉な話である。

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