北海道の赤とんぼ
日本童謡の会が平成15年に「好きな童謡」を全国から募集したところ、「赤とんぼ」がダントツの第一位だった。
宗教への関心を深めていた象徴詩人・三木露風(1889-1964)は大正9年から4年間、当別トラピスト修道院のジェラール・プーリエ院長の招きで、文学概論、美学論の講師として、夫人とともに北海道に滞在していた。露風は、トラピスト修道院の教室で午前中は教え、午後は詩作にふけった。大正9年の秋のある日午後4時、窓の外をみていたら、赤とんぼがいる。竿の先に、じっととまっているのだった。
夕やけ小やけの 赤とんぼ
とまっているよ 竿の先
兵庫県龍野の銀行員の長男として生れた露風は幼い頃のことを思い起こして作った。そして「赤とんぼ」の詩は大正10年に、童話雑誌「樫の実」の8月号に発表され、詩集『真珠島』に収録された。これに山田耕筰が曲をつけたのは昭和2年のことであった。
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