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2008年8月18日 (月)

少女漫画と女流作家

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    作家・江國香織は「大切なことは少女マンガに教わった」として、「なかよし」と「りぼん」を読んでいたことを語っている。中・高校生のころ、好きな漫画家は、萩尾望都、大島弓子、小椋冬美、田渕由美子、くらもちふさこ、岩館真理子、吉田まゆみ、池田理代子をあげている。角田文代も大島弓子の「裏庭の柵をこえて」「バナナブレッドのプディング」「庭はみどり川はブルー」「四月怪談」「夢虫・未草」などをあげている。

    いま新古書店に行くと、フロアー面積の4分の1くらいはコミックの売り場であろう。男性、女性、世代に関係なく立ち読みをしている。読書調査で日本人の読書量は低下しているという結果を聞くが、「マンガが読書か」という論議をおいておけば、その国民の読書熱は相当なもので、やはり日本はコミック・アニメ大国であるといえる。政治家の麻生さんも小沢さんも漫画には詳しいらしい。あの頃、ほとんどの子どもたちは貧しく貸本漫画を読んでいたが、彼らは高価な単行本漫画を買ってもらって読んでいたのであろう。

    「少年クラブ」はA5版だったが、「冒険王」「少年画報」「おもしろブック」「少年」はB5版と大型化された。それに「少年くらぶ」の絵物語中心より漫画中心が子どもたちの人気を集めた。なんといっても「イガグリくん」が人気であったが、福井英一が急逝したことが惜しまれる。手塚治虫、横山光輝を筆頭に、堀江卓、わちさんぺい、山根赤鬼、青鬼、赤塚不二夫、藤子不二雄、白土三平たちが少年漫画界をリードした。少女雑誌も昭和30年に「なかよし」「りぼん」が創刊され、昭和38年に「週刊少女フレンド」「マーガレット」が創刊された。当初は少女マンガを男性漫画家が書いていたが、水野英子、牧美也子、わたなべまさこなどの有力作家が現れ、次第に女性漫画家が優勢になっていった。初期の少女マンガの代表作としては、「リボンの騎士」(手塚治虫)、「レモンとサクランボ」(西谷祥子)、「ガラスの城」(わたなべまさこ)がある。「地獄でメスがひかる」(高階良子)、「ベルサイユのばら」(池田理代子)、「アタック№1」(浦野千賀子)、「ポーの一族」(萩尾望都)、「たそがれ時に見つけたの」(陸奥A子)、「うわさの姫子」(藤原栄子)、「はみだしっ子」(三原順)、「スケバン刑事」(和田慎二)、「キャンディ・キャンディ」(いがらしゆみこ)、「はいからさんが通る」(大和和紀)、「エースをねらえ」(山本鈴美香)、「ガラスの仮面」(美内すずえ)、「悪魔の花嫁」(あしべゆうほ)、「フランス窓便り」(田渕由美子)、「風と木の詩」(竹宮恵子)、「SWAN白鳥」(有吉京子)、「王家の紋章」(細川智栄子)、「生徒諸君」(庄司陽子)、「小さなお茶会」(猫十字社)、「綿の国星」(大島弓子)、「バジル氏の優雅な生活」(坂田靖子)、「パタリロ」(魔矢峰央)、「花ぶらんこゆれて」(太刀掛秀子)、「エロイカより愛をこめて」(青池保子)、「白木蓮抄」(花都悠紀子)、「空くんの手紙」(小田空)、「PARTNER」(名香智子)、「日出処の天子」(山岸涼子)「ツーリング・エクスプレス」(河惣益巳)、「リップスティック・グラフィティ」(小椋冬美)、「ペパーみんと・エイジ」(前田恵津子)、「バナナフィシュ」(吉田秋生)、「花のあすか組」(高口里純)、「ボーイフレンド」(惣領冬実)、「いつもポケットにショパン」(くらもちふさこ)、「銀曜日のおとぎばなし」(萩岩睦美)、「パズルゲーム☆はいすくーる」(野間美由紀)、「純情クレイジーフルーツ」(松苗あけみ)、「荒野の天使ども」(ひかわきょうこ)、「前略・ミルクハウス」(川原由美子)、「アルペンローゼ」(赤石路代)、「月の夜、星の朝」(本田恵子)、「エイリアン通り」(成田美名子)、「天上の虹」(里中満智子)、「甲子園の空に笑え!」(川原泉)、「お父さんは心配症」(岡田あーみん)、「星の瞳のシルエット」(柊あおい)、「少年は荒野をめざす」(吉野朔実)、「小山荘のきらわれ者」(なかじ有紀)、「ここはグリーン・ウッド」(那州雪絵)、「ぼくの地球を守って」(日渡早紀)、「ホットロード」(紡木たく)、「麒麟館グラフィティー」(吉村明美)、「THE B.B,B.」(秋里和国)、「OZ」(樹なつみ)、「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ)、「動物のお医者さん」(佐々木倫子)、「PaPa told me」(榛野なな恵)、「ともだちパズル」(おーなり由子)、「君は僕の太陽だ」(聖千秋)、「花図鑑」(清原なつの)、「BASARA」(田村由美)、「振袖いちま」(須藤真澄)、「赤ちゃんと僕」(羅川真里茂)、「イタズラなKiss」(多田かおる)、「アリスにお願い」(岩館真理子)、「フィーメンニンは謳う」(山口美由紀)、「ふしぎ遊戯」(渡瀬悠宇)、「南柳堂夢咄」(波津彬子)、「っポイ!」(やまざき貴子)、「世界でいちばん優しい音楽」(小沢真理)、「まっすぐにいこう」(きら)、「天使禁猟区」(由貴香織里)、「輝夜姫」(清水玲子9、「おいしい関係」(槇村さとる)、「陰陽師」(岡野玲子)、「百鬼夜行抄」(今市子)、「風光る」(渡辺多恵子)、「恋愛カタログ」(永田正美)、「彼氏彼女の事情」(津田雅美)、「クローバー」(稚野鳥子)、「快感フレーズ」(新篠まゆ)、「バラ色の明日」(いくえみ綾)、「フルーツバスケット」(高屋奈月)、「罪に濡れたふたり」(北川みゆき)、「ヤマトナデシコ七変化」(はやかわともこ)、「ハツカレ」(桃森ミヨシ)、「ハチミツとクローバー」(羽海野チカ)、「西洋骨董洋菓子店」(よしながふみ)、「プライド」(一条ゆかり)、「ホットギミック」(相原実貴)、「のだめカンタービレ」(二ノ宮知子)、「NANA」(矢沢あい)、「エマ」(森薫)、「桜蘭高校ホスト部」(葉鳥ビスコ)、「さくらん」(安野モヨコ)、「ホタルノヒカリ」(ひうらさとる)などなど多数あろうが、近年の神尾葉子の「花より男子」の大ヒットをみると、日本の少女マンガは国内だけでなく海外にも通用する主力カルチャーになっているといえる。また美内すずえは「ガラスの仮面」をコミックするにあたり、全42巻を描きなおしているという。また「別冊花とゆめ」に最近連載を開始した。ケペルは少女マンガをこれまで読んでいなかったが、もしかしたら「巨人の星」や「あしたのジョー」より、少女マンガのほうがスゴイかもしれないと脅威を感じている。

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上田美穂、田島理司主演の学園ドラマも庄司陽子原作の人気コミックをドラマ化したもの

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