古代エジプト王妃メリトの宝飾品
王妃メリトの首飾り
王妃メリトは古代エジプト第12王朝のセンウスレト2世の娘であり、センウスレト3世(在位前1874-前1855)の妻であった。1894年、ジャック・ドゥ・モルガンがダハシュールのセンウスレト3世の煉瓦ピラミッドの北側の王妃メリトの地下回廊から発見した宝飾品2点を紹介する。
首飾りは墓から発見された金、ラピズ・ラズリ、紅玉髄、トルコ石などのビーズから復元されたものである。ペンダントは8個のトルコ石、5個の紅玉髄、5個のラピズ・ラズリからなり、各々の貴石は底部で交差する2本の金線でカゴ状に包まれ、上部は金箔の管玉とつながっている。これらの管玉の上端は輪になり、同じ様に金のビーズ玉にペンダントを下げるようになっている。留金となる部分はカゴとその上に「アンク」の文字、両側に二つのサアの文字からなることばをデザインしている。その意味は「全ての保護と生命」である。
王妃メリトの貝形ペンダント
金製で、紅玉髄、碧玉、トルコ石の象嵌がある。全体の形は真珠貝をかたどっており、中心の蓮の花から様式化された花弁がのび、逆V字で終って七宝細工のデザインが施されている。(「古代エジプト展」1978、京都市美術館)
« 赤いフリージア | トップページ | 嵯峨野・化野念仏寺 »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 画家土佐光則没す(1638年)(2023.01.16)
- 現代彫刻(2020.08.04)
- カナの婚礼(2019.11.24)
- ラ・ボエーム(2018.10.15)
- 上方の浮世絵(2018.09.01)
コメント