セザンヌ夫人の肖像画
扇子を持つ婦人 セザンヌ夫人 1879年~1882年
温室のセザンヌ夫人 1891年
セザンヌ夫人の肖像 1885年~1887年
ポール・セザンヌ(1839-1906)は、30歳の頃、パリで19歳のモデル、オルタンス・フィケを知る。やがて普仏戦争が始まり、徴兵を逃れるため、マルセイユに近い漁村エスタックにオルタンスと逃れる。オルタンスとは父親の反対もあり内縁関係であったが、長男も生まれ、1886年に二人は正式に結婚した。セザンヌ夫人は「スイスとレモネード以外に何ら興味を持たない女性」とセザンヌが語っているが、内向的なセザンヌとは対照的に陽気で明るい性格の人だったそうだ。セザンヌ夫人の肖像画は全部合わせると49点以上、油絵だけでも30点以上ある。つまり、夫婦仲は睦まじかった、といえるであろうが、絵からはどの作品をみても、夫人に対する愛情はあまり感じられず、いずれも不機嫌そうな表情である。セザンヌにとつては自分の妻も卓上のリンゴも、モチィーフとして見るかぎり何ら変わりなかった。
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