2008年8月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック

« 荒川の図書館職員不当配転事件(1973年) | トップページ | 猿のお尻はなぜ赤い »

2008年7月 4日 (金)

兵庫県と全国図書館大会

Img

ロンドンにあるホランド・ハウスの図書館は空襲を受けたが、それでも市民はいつもと変わらず館内で好きな本を探していた

   明治39年に第1回全国図書館大会が開催されてから102年が経過するが、兵庫県での開催はこれまで一度もなかった。今年第94回全国図書館大会は「はばたこう未来の図書館」をテーマに9月18日、19日兵庫県で開催されることになった。100年以上も全国大会が開かれなかった兵庫県ではあるが、これまで県下での図書館活動が全く低調であったというわけではない。むしろ他府県に比べて戦前から活発な活動をしている市立図書館は存在していた。兵庫県図書館協会は昭和6年9月におきた満州事変の直後、11月に発足している。阪神間では戦前、神戸、尼崎、西宮と市立図書館が設置されていたが、県立図書館の設立は他府県に比べ大きく遅れた。昭和49年10月、我が国最後の県立図書館として兵庫県立図書館は設立されたが、「図書館の図書館」というキャッチフレーズによる運営内容は県下の公立図書館の期待を裏切るサービスであった。また少ない図書費など、課題も多い。ようやく平成13年11月1日より来館者への貸出を実施するようになった。ここでは開設当時をふりかえって、昭和48年に図書館問題研究会兵庫支部(支部長・鬼丸貞彦)が兵庫県知事・坂井時忠に提出した「県立図書館に対する要望」を紹介する。

      *   *    *    *   *   *    *    *

    県立図書館に対する要望

   図書館は県民の学習権を保障する唯一の機関です。すなわち、すべての県民は生涯をつうじて自らを豊かにしてゆくために「誰でも、どこに住んでいても、いつでも」必要とする図書館資料を利用する権利があります。従ってその条件を整えることが地方公共団体の責任であります。住民に対してきめの細かいサービスを行なうのは、市町立図書館(その他の図書館機関を含む)でありますから、その活動を徹底して援助することを、県立図書館の基本姿勢としていただきたい。県下の全図書館が有機的に連携して生き生きと活動したとき、県民の心と暮しを豊かにするために役立ち、真に県民の図書館としての誇りと親しみができるのです。私共、公共図書館、大学図書館、学校図書館等に働く職員並びに図書館教育にたずさわる者の有志が集まり、最近の図書館をとりまく情勢を検討し、すでに示されている「県立図書館の基本計画」を検討しました。その結果、つぎの点について再度御検討願い、県民の求めている図書館を建設されるよう要望します。

1.個人貸出の実施

  県下の各図書館を通じて必要とする資料を貸出しすることはもとより必要ですが、しかし県下には市町立図書館設置の所が多く、市町立図書館を通じて貸出しを受ける体制になっていないのです。図書館が近くにある住民が享受している県立図書館のサービスを、近くにサービスポイントがないために受けられないのは不合理です。そこで少なくとも次のことを実施していただきたい。

ア.図書館未設置地区および遠距離の住民、並びに身体障害者に対する郵送による個人貸出。

イ.直接来館した県民に対する個人貸出。

   また、新設図書館の評価は開館時点の姿勢で定まるものです。たとえ、1000冊の蔵書から出発するとしても「必要な資料は誰にでも貸出します」といった姿勢が「県民の図書館として大きく発展する基礎となるのです。従って個人貸出の実施は、開館と同時に行なっていただきたい。

2.児童室の設置

   現在県下でも各地で公共図書館が充実するのを待てないで、眼の前で成長してゆく子どもたちのために、家庭文庫や地域文庫が作られて活動しています。そしてそのほとんどが図書不足に悩んでいます。そうした文庫に対してすぐれた多くの児童図書を供給して正しく育ててゆくことは県立図書館の急務と考えられます。「県立図書館には児童図書は不要である」といった誤った考えがあるが、県立図書館が「図書館の図書館」的機能を標榜している以上、市町立図書館で貸出利用されている図書の約半数が児童図書であるという実態を認識し、すぐれた児童図書の充実に力を入れる必要があります。その業務を行なうために、児童図書館経験豊かな職員と児童図書室が是非必要です。

3.視力障害者に対する対策

   視力障害者に対して「誰でも、どこでも、いつでも」という原則にたって、すべての図書館資料を利用する権利を保障しなければなりません。身体障害者に対する関心が社会的に高まっている中で、次の事柄を実施していただきたい。

ア.対面朗読の実施

   東京都立中央図書館で実施しているように、必要とするインホメーションを朗読によって直接視力障害者に伝えるサービス。

イ.拡大機器の設置

   弱視者と老人のために日本ライトハウスで開発されたもの、又は東京都立中央図書館で使用しているような拡大機器を設置すること。

ウ.専門職員の配置

   点字室(視力障害者に対するサービス室)の運営を効果的にし、かつ充実したものとするために、点字・点訳等についての専門的知識をもった職員を配置し、点訳奉仕者の組織化および点字図書並びに録音資料の充実、配布等の業務を永続的に行なうこと。

4.館長には司書の有資格者をおくこと

   図書館運営は特に長期的展望と業務の一貫性が要求されるとともに、当初の基本方針がその将来におよぼす影響は非常に大きなものがあります。いわゆるお役所的管理運営でなく、常に県民の立場に立っての運営を行なうためにも、専門的知識と経験豊かな司書有資格者を館長として任命していただきたい。

「図書館」カテゴリの記事

コメント

少々図書館と視覚障碍者の読書支援にかかわっているものです。
兵庫県ではじめての図書館大会が、指定管理者制度という図書館界にとって大きな変化の状況が見えてきたこの時期、また図書館法が改正されたこのタイミングで開催されることが、大きな意味を持つことを願っています。
神戸市立図書館の指定管理者制度導入の報告もあります。当事者がどのような評価をしているのか興味があります。
また、視覚障碍者の関係では県立視覚特別支援学校の学校司書の方の事例報告もあります。
学校図書館、公立図書館の置かれている状況は極めて厳しいものですが、私たち市民が図書館の意味を理解し、利用していくことで、司書の方々と協力して私たちの図書館をつくっていきたいと思っています。

すばらしいコメントをいただきありがとう。ケペルは今年度で図書館を退職し、来年からは在野で地域の読書運動をしていきます。「女性の書斎」といいます。(へへ…宣伝デシタ)9月の全国大会も行こうと思います。図書館雑誌6月号にある申込書。締切日をみたら、なんと8月5日。そろそろ準備しなくちゃ。今年は例年より1月早い全国大会ですが、ひとりでも多くの参加者が集ってほしいですね。

スタンダールを勉強していて、ここに行きつきました。アランの訳は、違う訳で知っているのですが、この訳は、どなたの訳かお教えて下さい。もし、その翻訳の本がありましたら、それもお願いします。「不信の人、何事も信じないが、信じるときは全的に信じる。稀有の性格」と言っているのが的確である。
全くフランス語が読めず、それでもスタンダールを勉強するのに良い本があったら紹介してください。
突然のメール失礼しました。
ワカメ(ayano ishikawa)

コメントを書く