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2008年7月28日 (月)

幕末の紀州藩「大勢三転考」

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           徳川家茂画像(徳川恒孝氏蔵)

    昨日放送されたNHK大河ドラマ「篤姫 第30話・将軍の母」では紀州藩出身の徳川慶福(1846-1866)がよく出てくるようになり、幕末の紀州藩について考えてみたくなった。安政期、第13代将軍家定の継嗣問題をめぐっては、水戸家出身の一橋家当主徳川慶喜(平岳太)を推す勢力があったが、時の大老井伊直弼はそれを押さえて徳川家茂(松田翔太)を14代将軍とした。紀州藩は慶応2年、第二次長州戦争のときは、最後の藩主茂承(もちつぐ)は先鋒総督となり、家茂も自ら出陣している。翌年、家茂は21歳の若さで大坂城で死去する。家茂を演ずる松田翔太は松田優作・熊谷美由紀の次男であり、慶喜を演ずる平岳太は平幹二朗・佐久間良子の長男というのも面白い。

    ところで幕末紀州藩には大番頭格として、藩財政に関与していた伊達千広(1802-1877)という人物がいた。陸奥宗光の実父である。伊達千広の書いた史書に「大勢三転考」(1848年)というユニークな本がある。徳川幕府が成立するまでの日本史を「骨の代」「職の代」「名の代」の三時代に区分した通史である。つまり日本の制度は時の勢によって、二度の大変化を遂げたことを説いている。これまでの歴史観では、時勢を推移するものは神・仏・天などに捉われていたが、伊達千広の史観には、人間自身の手によって歴史がつくられるものであるという現実的合理的な観念をみることができる。本書は千広が藩内の政争で失脚して長く幽閉状態におかれていたため、明治6年になって上梓されたという。本書は「日本の思想6 歴史思想集」(筑摩書房)に収録されている。

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