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2008年5月 4日 (日)

三島由紀夫のカニ嫌い

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   折り目正しく、生真面目で、約束の時間を守り、ユーモアがあって、目立ちたがりやの努力家。三島由紀夫(1925-1970)の人となりについては、三島と身近に接した人たちの回想が数多く残されている。多い三島のエピソードの中でもよく知られているのが、「カニ嫌い」であろう。「倅にとってカニは不倶戴天の敵であり」、「カニを見ると、たちまち真青になってブルブル震えて逃げ出すという、実に念の入ったもの」(『倅・三島由紀夫』平岡梓)であった。しかし殻から取り出して身だけになると平気で食べたという。

   ある時、料亭の出た膳にカニが載っていると黙って手をふって下げさせた。その時、「蟹という字も嫌いだ」と真剣にいったのを武田泰淳が聞いている。そこから一歩進めて武田は、三島の日本刀好みも「蟹の爪、蟹の手足、蟹のハサミ、その動かし方、歩き方に対する嫌悪の念を克服する過程の、一つのあらわれだったかも知れない」(「三島由紀夫氏の死ののちに」)とまで推論している。

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