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2008年4月15日 (火)

レオポン誕生

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   甲子園阪神パークは昭和4年「甲子園娯楽場」が前身で、昭和7年に「阪神パーク」と改称した。遊園地であるが、戦後ライオンとヒョウを交配した雑種「レオポン」誕生で一躍、動物園として有名になった。昭和34年11月に2頭、昭和35年6月に3頭のレオポンが誕生した。このような存在しない珍種を狙った異種交配に対してはのちに批判も出てきた。現在では生命倫理の観点からも、動物の個体管理が必要であり、人工的に異種交配をする動物園はないかもしれない。(中国でライオンとトラとの交配によるライガーがいるというが)戦後、阪神パークの動物園としての不十分な設備のため、様々な動物たちを雑居家族として住まわせていたことと関係するであろう。昭和31年の「動物園への招待」(アサヒ写真ブック32)に次のような記事が掲載されている。

   甲子園の阪神パーク動物園のサル山には次の動物が一緒にすんでいる。アカゲザル6頭、タヌキ2頭、キツネ2頭、イノシシ1頭、山羊1頭、犬2頭、猫3頭であるが、これはおどろくべきことである。しかし各々その個性がちがうらしく、同じ猫でも猿にいじめられて水にほうり込まれるのもあれば、猿と仲良しになってノミとりをしてもらっている白猫もいる。もしこの猿山で生死をかけた闘争がおこなわれるとすれば、それは猿同士がその王位をかける勢力争いであろう。

   阪神パークでは園長の土井弘之や飼育担当の近藤義一郎らの努力で世界でも珍しいレオポンの誕生に成功したのは、昭和34年11月3日のことであった。だがレオポン5頭も昭和60年にはすべて亡くなった。平成14年、元園長の土井弘之も87歳で亡くなり、翌年3月、阪神パークは閉園した。

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   ヒョウを抱く土井園長(昭和31年頃)

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