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柱の疵は 一昨年の
五月五日の 背くらべ
粽たべたべ 兄さんが
計ってくれた 背の丈
昨日くらべりゃ 何のこと
やっと羽織の 紐の丈
*
柱に凭れりゃ すぐ見える
遠いお山も 背くらべ
雲の上まで 首出して
てんでに 背伸(せのび)してゐても
雪の帽子を 脱いでさへ
一はやっぱり 冨士の山
詩人・海野厚(1896-1925)は明治29年、静岡市曲金に生まれ、早稲田大学に学んだ。俳人の渡辺水巴に師事し、鈴木三重吉、会津八一、竹久夢二、中山晋平らと親交し、「おもちゃのマーチ」その他多くの作品を発表した。大正14年、肺結核を病み、東京・目黒で寂しく他界した。
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