阿修羅とは梵語「アスラ」で「呼吸」の意味。ペルシアの善神アフラと同義で古くはすぐれた精霊の意味にも用いられたが、のち戦闘を行なう鬼神の一類とみなされるようになり、常にインドラ(帝釈天)と争う闘争的な悪神とされた。仏教では八部衆の一として仏法を守護する神とされた。とくに興福寺の阿修羅像は知られている。三面六臂の奇怪な姿で、細い蜘蛛手のような六本の腕がある。阿修羅の眉を寄せた憂いの表情には仏の深い愛情がよく表現されている。仏の真実がこれほど芸術の香気高く表現された例は稀であり、天平芸術の精華が、まさにここにある。
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