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2008年3月29日 (土)

水藻の花(歌劇「沈鐘」)

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  舞台劇「復活」のネフリュードフとカチューシャ

   大正期の新劇女優・松井須磨子(1886-1919)の「カチューシャの唄」(トルストイ原作「復活」)が一世を風靡したのは大正3年3月のことである。

  カチューシャ可愛や

  別れのつらさ

  せめて淡雪とけぬまに

  神に願いをララかけましょか

  須磨子の歌うこの哀切のメロディーは人々を魅了した。レコードは2万枚を売り尽くという前例のない人気ぶりであった。これにつづいて芸術座はツルゲーネフ原作「その前夜」。この主題歌「♪命短し恋せよ乙女」の「ゴンドラの唄」も大ヒット。吉井勇の「生ける屍」の主題歌「♪行こうか戻ろかオーロラの下を」の「さすらすの唄」。そして大正7年9月のハウプトマン原作、レスピーギの歌劇「沈鐘」で松井須磨子は森の妖精ラウテンデラインに扮した。劇中歌は「水藻の花」と「森の娘」(作詞・北原白秋、作曲・中山晋平)。遠藤さんがお探しの第5幕「♪森の姫とも歌われた、それは昔の夢じゃもの」という歌い出しではじまる「水藻の花」は作詞は島村抱月(1871-1918)と楠山正雄(1884-1950)、作曲は小松耕輔(1884-1966)。

   歌詞を調べるため国立音楽大学附属図書館のデーターベース「童謡・唱歌索引」を検索すると1件ヒットした。図書・楽譜ならば「世界音楽全集19巻、流行歌曲集」(春秋社)昭和6年の刊行に「水藻の花」が採録されているらしい。また実際の曲を聴きたいのであればCD8枚組(全193曲)「恋し懐かしはやり唄」がコロムビアファミリークラブから発売されており、DISC7に「水藻の花」が収録されている。ただし、これは「籠の鳥」「船頭小唄」で有名な演歌師・鳥取春陽(1900-1932)が歌っており、須磨子ではない。そして金額16800円也。創唱・松井須磨子のオリジナル版が聞きたければ、SPレコード「沈鐘の唄/水藻の花」が大正7年にニッポノフォンから発売されている。ヤフーオークション中古レコードはすぐに売り切れ。現在、松井須磨子CD全曲集が入手可能かどうかは知らない。「沈鐘」は翻訳物なので「水藻の花」はレスピーギの歌劇の曲と同様なのかは詳しくはわからない。「沈鐘」は阿部六郎訳で岩波文庫にあるが、昭和初期に楠山正雄訳で「世界名作翻訳全集12」に「沈鐘」があることがわかった。大正12年には松竹映画「水藻の花」伊藤大輔監督、栗島すみ子、岩田祐吉、岡島昇で映画化されている。

   結局、いろいろ調査しましたが、お探しの全歌詞には辿りつくことができませんでした。ゴメンナサイ。

追記

  「日本のうた第1集」野ばら社(1998年刊行)に「水藻の花」の歌詞と楽譜が収録されていましたので紹介します。

        1

もりのひめとも うたわれた

それはむかしの ゆめじゃもの

なさけないぞえ のろわれて

いまじゃ みずもに さくはなよ

        2

みずにうつした おもかげは

むかしこいしき そのひとよ

なつかしいなの ハインリーヒ

ほんに さようなら さようなら

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