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2008年3月19日 (水)

御宿の海女に美人が多い理由

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   御宿町は千葉県の南東、房総半島の東に位置する人口約8,200人の小さな町。ここには、今でも100人ほどの海女が海に潜りアワビ、サザエ、テングサ、ワカメなどを採集している。御宿岩和田の海女はむかしから大柄で美人が多いといわれる。その理由にはこんな歴史がある。

   1609年9月28日、メキシコへ向かう途中のスペインのドン・ロドリゴ(1564-1636)船長の「サン・フランシスコ号」が台風に遭い、上総国岩和田村(現・御宿)田尻の浜に漂着した。地元の御宿の海女が彼らを救助した。ロドリゴらは、駿府城で徳川家康とも会見し、1610年10月にスペインに帰国した。つまり、海女と船員との間に子どもが生まれ、海女になったというのである。ほんとうに事実かどうかはわからないが、遠い異国の船員たちにとっても、海女の操業する姿はなんとも艶かしく人魚姫のように見えたことだろう。なにせ大正時代までは、海女は上半身は裸で、腰には白木綿の磯ナカネ(腰巻)を巻いていた。海女の健康的な美しさは異人の旅情の思い出であったことは間違いない。

   今日、海女といえば観光海女しか見ることができないが、三重県志摩の鳥羽真珠島、福井県東尋坊、千葉県御宿、石川県輪島舳倉島(へぐらじま)などがよく知られている。

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