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2008年3月29日 (土)

蕪村とパチンコ

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   菜の花や月は東に日は西に

    広々とした平野に黄色い菜の花が一面に咲いている光景が眼前にうかぶ。風のない日暮れに近い早春の時刻、陽は西に沈もうとしている。そんなとき、テレビで韓国ドラマ「春のワルツ」のテーマソングが流れた。なんとパチンコのコマーシャルだった。蕪村とパチンコ。この無関係な取り合わせは菜の花によってケペルの脳裏にうかんだ。ユン・ソクホは韓国人でありながら、まことに日本人と同様な詩情を持ち合わせた監督だ。春といえば菜の花。そして赤いランドセルの女の子。そういえばケペルにも小学校1年生の頃、歌の上手な女の子が友達にいた。童謡コンクールに出場してラジオから彼女の歌声を聞いた。まさに「春のワルツ」そのものだった。もちろん女の子とは長いこと会っていない。「愛していれば、会いたかったら…いつかまためぐりあえるのです…。子どものころのかくれんぼのように、しっかりかくれたつもりでも…目には見えなくても…、どこかでオニの私を待っているから、数多くのすれ違いの中で、心を込めた愛の祈りのように…愛し合う2人はいつかまた出会えるのです」そんな「春のワルツ」のテーマは蕪村の名句「菜の花や月は東に日は西に」にもハーモニーとなって響きあうのだ。

   ところで与謝蕪村(1716-1783)は今日でこそ俳人として知られているが、それは明治期になって正岡子規が、俳人としての蕪村を評価したからだという。それ以前の蕪村はむしろ画家として知られていた。映像作家のユン・ソクホと絵画的、視覚的に表現する蕪村と二人に共通点があるとしてもなんら不思議は無いだろう。そして韓国人と日本人との芸術的感性は同じであろう。

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