マルケ「シブール」
マルケ「シブール」 1907年
ジュネーブ 個人蔵
アルバート・マルケ(1875-1947)は、ギュスターブ・モローに師事、同時に同門のマチスやルオーらと親交を重ねた。1905年サロン・ドートンヌに出品したところの初期の仕事は、鮮烈な色彩の対比と大胆な描法とによって、マチスらとともにフォービズムの代表的作例と目された。やがて1912年のモロッコ旅行後、次第にフォーブ的傾向から離れ、色彩の調和を重んずる温雅な作風に向かった。以後マルケはほとんど風景画を専門とし、各地を旅しながらいずれも川・港・橋など水の見える情景を対象に、柔らかな灰色や緑・青などを主調とする微妙な色合いと的確な描写で、「海辺の謝肉祭」(1906年)などのすぐれた作品を数多く残した。
本図の作品はフランスのスペイン国境近くの港町シブールの風景を、大胆な色彩と筆触を駆使している。
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