鋳金家・香取秀真
みみずく香炉 香取秀真 昭和28年
香取秀真(かとりほづま、1874-1954)は、はじめ鋳金家大島如雲(1858-1940)に学び、美術学校では岡崎雪声(1854-1921)に学んだ。香取は東洋や日本の古代の金工についても深い関心をもち研究していた。したがって彼の作品は若い時代から晩年にいたるまで、常に古典の影響を受けていたともいえる。
みみずく、鳩、ふくろう等の置物(香炉が多い)をよく作っているのは、中国銅器に鳥形尊や卣(ゆう)と無関係ではないと思う。青銅鋳物に金の象嵌を施して、色彩効果をあげようとしている。目・耳・足・翼などにかなりの抽象化をみせているのは、この作品の特色であるとともに、このころの彼の傾向でもあった。
金工史家としても、すぐれた著作があり、また正岡子規の根岸短歌会の1人、アララギ派の歌人として、「天之真榊」「還暦以後」などの歌集を残した。
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