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2008年1月 4日 (金)

ブリューゲルのイタリア旅行

    フランドルの画家ピーテル・ブリューゲル(1525-1569)のイタリア旅行(1552-1553)の影響は、「バベルの塔」(1563、ローマで実際に見たコロセウムがヒントになっている)や「雪中の狩人」(1565、アルプス風景)にはっきりと見ることができる。しかしイタリア絵画そのものの影響はあまりみられない。むしろ彼に一番大きな影響を与えたのは、行く途中のアルプスでの上から見下ろす視点であり、アルプスからの眺めであったであろう。(彼が育ったフランドル地方はほとんど平野であった)

    これは、これまでの絵画において自然景観は、宗教画や人物画の背景として脇役的にそえられていたものだったが、ブリューゲルは俯瞰的な見方で人物を描き、16世紀フランドル絵画に独自の風景画形式の確立に大きく貢献した。

    ロベール・ジュナイユは次のように言っている。「15世紀の美術では、人間が大きくとり扱われ、風景はわずかな添え物にすぎなかった。人間はつねに作品の中央、前景に浮かびあがり、風景はほんのつけたしであった。ところが、この関係を逆にしたのがブリューゲルなのである。彼は人間を、さながら群がるアリのようにみじめな存在としてとらえ、かわって風景を巨大なモニュマンにまで高めたのである。彼の風景は奥行きと広がりをもち、ディテールにいたるまで幻想を駆使し、有機体として構築されているのだ。おそらくブリューゲルはイタリア旅行の途中、アルプスを越える際に、自然のけだかさに強く打たれたのではなかったろうか」(ロベール・ジュナイユ「ヴァン・アイクからブリューゲルまで」)

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