平清盛と市川雷蔵
市川雷蔵(当時24歳)は、関西歌舞伎から映画界に入った翌年、溝口健二監督の「新・平家物語」(昭和30年)の主役に抜擢された。若武者雷蔵の迫力ある演技は新鮮で美しかった。ラストの名場面。雷蔵扮する平清盛が貴族の神輿に弓を放つ場面の撮影の時だった。衣裳係が手間取った。溝口はネチネチいじめることで有名だ。「早くしてください。夕陽が沈んだらこのシーンは撮れないんですよ」この時突然、これまで無言だった雷蔵がタンカを切った。「やかまし言うない。今日お日さんが沈んだら、明日は東から出てくるわい。明日撮ったらええやろ」溝口は「なにを言う」と小声で口ごもり、雷蔵の気迫に度肝を抜かれた。溝口はあとで「若いから元気よくて気持ちいいよ」とスタッフに言っていた。こうして雷蔵は天下の名監督との勝負に勝った。端役の歌舞伎役者にケリをつけて、映画界で青年平清盛を颯爽と演じ、スターの地位を確立したことは言うまでも無い。
市川雷蔵、本名・亀崎章雄は昭和6年8月29日、京都市堀川丸太町で商社員の父・亀崎松太郎と商家出身の母・中尾富久との間に生れた。しかし生後6ヵ月で伯母夫婦である関西歌舞伎の市川九団次の養子となり、竹内嘉男と改名、15歳で市川筵蔵となり、さらに昭和26年市川壽海の養子となり、太田吉哉と改名、八代目市川雷蔵となる。もともと歌舞伎の血筋ではなく、養父が歌舞伎役者だあったため、亀崎章雄は竹内嘉男、太田吉哉と三度も改名することとなった。
では、次の映画スターは誰だろう?
①中村鶴三
②大辺男
③門田潔人
④植木正義
⑤高橋照市
⑥加藤郁郎
⑦浅川善之助
⑧池端清亮
⑨有島行光
⑩小野榮一
⑪丹羽富成
⑫奥村利夫
⑬小田剛一
⑭小川錦一
⑮柴田吾郎
⑯佐野邦俊
*
回答
①尾上松之助、②大河内伝次郎、③月形龍之介、④片岡千恵蔵、⑤嵐寛十郎、⑥古川緑波、⑦市川右太衛門、⑧上原謙、⑨森雅之、⑩鶴田浩二、⑪大川橋蔵、⑫勝新太郎、⑬高倉健、⑭中村錦之助、⑮田宮二郎、⑯里見浩太朗
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