金人三緘
孔子が、あるとき、周の国に見物に行きました。方々を見てまわって、最後に、周の太祖、后稷の廟に入りました。すると、階段の前に、金属でつくつた人の像が立っていました。そして、その像は、口を三重に封じられて、背には、つぎのような銘がありました。
これは古の言葉をつつしんだ人の像である。
これを見ていましめよ いましめよ
言葉かずが多くないようにせよ
言葉かずが多いと事を取ることも多い
事が多くないようにせよ
事が多いと心配も多い
これを見た孔子は、弟子たちをかえりみて、いいました。
「お前たち、この言葉を忘れてはいけないよ。この言葉は卑俗な言葉ではあるが、よく実際にあたっているぞ」(孔子家語)
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