四S時代と四T時代
水原秋桜子(1892-1981)と山口青邨(1892-1988)は年も同じで、共に東大卒で東大俳句会に参加している。昭和初期には、水原秋桜子、山口誓子(1901-1994)、高野素十(1893-1976)、阿波野青畝1899-1992 )、4人の頭文字をとってホトトギス四S時代を現出した。(命名者は山口青邨)やがて「ホトトギス」があまりにも瑣末な写生に傾いてゆくことに反発した秋桜子は、「馬酔木」10月号に「自然の真と文芸上の真」を発表して「ホトトギス」から離脱・独立し、昭和9年俳誌「馬酔木」を主宰者となった。同人には石田波郷(1913-1969)、加藤楸邨(1905-1993)、山口誓子なども加わり、やがてホトトギスと対立する勢力となった。
昭和中期を代表する女流歌人4人、橋本多佳子(1899-1963)、中村汀女(1900-1988)、星野立子(1903ー1984)、三橋鷹女(1899-1972)の頭文字をとって四T時代といった。(命名者は山本健吉)
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