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2008年1月14日 (月)

ぶどう酒の革袋

    イエスの譬えを正しく理解し、使用することは、日本人にはとくに注意すべきことのように思える。たとえば「新しい酒は新しい皮袋に盛れ」という聖句であるが、これを選挙で勝利した新しい首長が旧派のボスをすべて左遷、降格するという、いわゆる報復人事に使うことがしばしばある。もちろんイエスがそのような意味で使ったのではないだろうが、日本では「勝てば官軍、負ければ賊軍」とあまり変わらない常套句として使われているような気がしていると思うのは私だけだろうか。

 

    だれでも、織りたての布から布切れを取って、古い服に継ぎを当てるたりはしない。そんなことをすれば、新しい布切れが古い服を引き裂き、破れはいっそうひどくなる。また、だれも、新しいぶどう酒を古い革袋に入れたりはしない。そんなことをすれば、ぶどう酒は革袋を破り、ぶどう酒も革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。(マルコによる福音書2.21)

 

    イエスが「つぎ」と「ぶどう酒の革袋」の一対の譬えによって言おうとしたことは、神の国の到来である。新しい時代には、未知の未来をおそれて、新しいものを古いものに順応させようと願う人々が、つねに現れる。こういった人々に対して与えられた譬えであったに違いない。

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