チャーチル会と戦後文化人たち
昭和24年頃、銀座泰明小学校の向かいにあった映画世界社(「映画の友」を発行)の画室を借りて、アマチュアの絵描き愛好会ができた。「あなたも私も絵を描こう」と著名文化人たちが集まった。会名はイギリス首相チャーチルが「絵を描くことは他人に迷惑をかけず、全てを忘れることができる、最も良いホビーだ」という言葉に由来。チャーチル会は現在も全国に53支部、2000名以上の会員がいる。
毎週土曜の午後に集まり、当初、先生は石川滋彦(1909-1994)であった。やがて久保守、宮田重雄、益田義信、伊原宇三郎、猪熊弦一郎、佐藤敬、脇田和、硲伊之助、高野三三男などの画家仲間も顔を見せるようになった。生徒たちは、藤浦洸、藤山愛一郎、田村泰次郎、石川達三、伊志井寛、森雅之、宇野重吉、長門美保、佐藤美子、柴田早苗、高峰秀子、杉浦幸雄、横山隆一など多彩な顔ぶれであった。
藤浦洸、宮田重雄、柴田早苗といえばNHKのラジオクイズ番組「二十の扉」のレギュラー解答者たちだ。あと作家や映画俳優、新劇俳優、オペラ歌手、漫画家などなど。さぞかしサロンは楽しいものだっただろう。高峰秀子はこのサロンを通じて、梅原龍三郎と40年以上も親交を結ぶこととなる。(参考:高峰秀子「私の梅原龍三郎」)
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