大奥ブームと「篤姫」
吉屋信子の「徳川の夫人たち」が昭和41年から43年まで朝日新聞に連載され大奥ブームを作るきっかけとなった。映画では東映が昭和42年「大奥秘物語」(佐久間良子、山田五十鈴、藤純子主演)、「続・大奥秘物語」(小川知子・緑魔子主演)、昭和43年「大奥絵巻」(佐久間良子、淡島千景、大原麗子主演)で興行的成功を収めた。フジテレビでも昭和43年、昭和58年と「大奥」を放送した。平成15年の「大奥」では菅野美穂が天璋院篤姫を演じ、池脇千鶴、浅野ゆう子らが主演して、平成の大奥ブームが再燃した。平成16年に「大奥第一章」(松下由樹主演)、平成17年に「大奥華の乱」(内山理名、藤原紀香、小池栄子主演)で女の嫉妬、憎悪、陰湿なイジメ、ドロドロの陰謀が人気を呼んだ。NHK大河ドラマもこの「大奥ブーム」に便乗したかたちで「篤姫」がいよいよ登場する。幕末の動乱期、島津斉彬の養女として第13代将軍徳川家定の正室として大奥を統率した天璋院篤姫(1836-1883)。ピュアなイメージのある宮崎あおいがいかに幕末の尼将軍といわれた篤姫を演じるかに注目が集まる。
大奥とは、江戸城中で将軍の御台所と側室の住居。江戸城総面積1万1千余坪の半分以上を、大奥が占める。政務の表と大奥の境の廊下は御錠口(御鈴口)と呼ばれ、銅板張りの大戸が立てられ「此より内男入る可からず」という紙札が掲げられていた。大奥に入れる男は将軍ただ一人だった。大奥には下働きまで含めれば約1千人の女性がいた。7、8人の側室がいるのがふつうで、最多の11代将軍家斉には21人の側室がいた。将軍の正室は公家や親王家から選ばれ、お付きの女中も多かったから、大奥での生活は京都風で、落語の「たらちね」さながらの状況だったという。
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