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2007年12月27日 (木)

美しい庵主さん

    有吉佐和子(1931-1984)には、「紀ノ川」「香華」「助左衛門四代記」「華岡清洲の妻」のような年代記もの、人権問題を扱った「非色」、老人問題を扱った「恍惚の人」、公害問題を扱った「複合汚染」など、歴史物から社会派まで、幅広いストーリー性に富む作品が多い。小説のほかにも演劇やテレビドラマの脚本にも手がけたことからもわかるように、読者の興味や関心をひく、時代にあったテーマを見つける天才であった。また「恍惚の人」「複合汚染」が流行語になったように、小説のタイトルのつけかたの上手な作家であったといえる。これは有吉が若い頃から、古典芸能に関心を持ち、演劇評論家を志していたことと関連する。彼女の作品のほとんどがドラマ、映画化されていることがそれを証明している。

    昭和31年「地唄」が芥川賞候補にもあげられたが、受賞を逸した。翌年、NHK大阪のドラマの脚本「石の庭」で第12回芸術祭奨励賞を受けた。その年、まだアクション路線の確立していない日活は26歳の新進女流作家の小説「美っつい庵主さん」を映画化した。「美しい庵主さん」(西河克巳監督)は、ある尼寺に東京から女子大生(浅丘ルリコ)がボーイフレンド昭夫(小林旭)を連れてやって来た。尼僧たちは若い男性の来訪に驚く。昭夫も美しい尼僧(芦川いづみ)に一目ぼれする。たわいもない話だが、映画も文学もみんな若くてういういしい時代であった。

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