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2007年11月17日 (土)

この方はナザレ人と呼ばれる

    現在のナザレの町がイエスの時代のナザレと同じ場所であるのかは定かではないが、イエスが育ったナザレの村はガリラヤ湖の西岸にある首都ティべリアからかなり離れた一寒村であった。また現在のナザレは都市となり多くのアラブ人(67%がイスラム教徒、33%がキリスト教徒)が住んでいるが、紀元前後の古代ナザレの村はユダヤ人のみが住んでいた。

   新約聖書では、キリストを「ナザレ人(びと)イエス」と呼んでいる。(マタイ2:23)福音書の記事によると、「この方はナザレ人と呼ばれるであろう」という預言の成就とされている。当時マタイが牧会していたと思われるシリア地域では、キリスト者が「ナザレ人」と呼ばれており、そう呼ばれることは、ユダヤにおいては蔑みの響きがあった。おそらく、ナザレのような地方の一寒村から、救い主が出るものであろうか、という気持ちも含まれていたかも知れない。しかし、「ナザレ」という発音は、「枝」(イザヤ11:1)がへブル語で「ネシェル」と発音されることから、古くから次のような聖句を引用して解釈されることがある。「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若芽が出て実を結ぶ」つまり、ダビデの父エッサイの名で呼ばれる根株から新芽が生え、そこから若芽が出て実を結ぶ。イスラエルはその若芽をメシヤと理解し、その到来を待望していた。若芽であるイエスが美しい自然のあるナザレ村で育ったことはイザヤの預言に合致するのである。

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