月の精・嫦娥
中国初の月探査衛星「嫦娥(じょうが)1号」が撮影した月面写真が公開された。嫦娥は中国の神話で月にすむ美女の名である。もともと姮娥(こうが)、恒娥といったが漢の文帝の恒を避けて、嫦娥、常娥と書く。「淮南子」覧冥訓には次のような嫦娥の話が伝えられている。
昔、あるところに羿(げい)という男がいた。彼は死ぬということを思うと、いつも身ぶるいするように嫌な気がした。羿は西王母さまのところへ行って、不死の薬を貰い受けることにした。不死の薬を手に入れて大喜びで家に帰ってきた。ところが妻の嫦娥がそれを知って、ひそかに不死の薬を盗んだ。しかし夫に悟られては、どんな酷い目にあうかも知れないと思ったので、薬を飲んで仙人となり、とうとう大空に逃げ昇って、月にすむようになった。かの女は不死の薬でいつまでも生きつづけている。月面に蝦蟇のような斑点が見えるのは、即ち嫦娥の姿である。
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