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2007年10月 7日 (日)

これが青春だ

   イギリス帰りの大岩雷太(竜雷太)は、山と海に囲まれた南海高校の教師となり、サッカーを通じて劣等生たちに「どろんこ紳士道」を教える。第12話「ホラ吹き大将故郷に帰る」(倉本聰・脚本)の大岩先生のセリフ「人を信じない奴は、俺は嫌いだ!」はとくに印象に残る。

   南海高校の卒業生山上大作(西沢利明)は、東京で行なわれる東西大学対抗試合にサッカー部全員を招待するという。しかし、部員たちは「どうせホラだから行かない」と言い出す。

   大岩「なるほど、お前らには親がいたわけだな。いい親、悪い親、…各人おのおの親を持っている。…親の意見が君らにうけつがれ、君らは頭からそれを信ずる。不憫なことだな。親を持っているということは」みんなは雷太の言っていることがよくわからない。なおも雷太は歩きまわりながら、「君らは親の意見に従い、山上大作を信じないと言う。ところが大作の方は、君らを信じてる。君らのサッカーを育ててやりたいと、本気になって考えている。あんな立看板でからかわれてもだ!なおかつ彼は、君らを信じている」と雷太は立止まって、凄い目つきで一同をにらみつけた。

   「人を信じないような奴は、俺はきらいだ!人にだまされることを怖れるあまり、人を信じない奴を俺はきらいだ!そんなのは若者のなまえに恥じる。信じてだまされた。何が恥ずかしい。少しも恥じるべきところなどない。恥ずべきは、最初から人を信じない奴、努力しない奴、そういう奴だ。そういう奴こそ俺は認めない。若者として全く認めない。

   俺がお前たちにのぞむのはどろんこ紳士だ。みんなどろんこになれ、しかし紳士であれ!」

   雷太の言葉に圧倒されて、一同何も言えない。「今日の授業はここまで!」というと雷太はパチンと本を閉じて教室を出た。

   日曜日。神宮のサッカー場入口で、時計をみながら大岩先生と大作は部員たちを待っている。大作がしょんぼりと「先生、もう来ませんよ」と雷太に話しかけるが、雷太は黙って立っている。「あの町じゃあ、俺の言葉なんか信用するやつはいない。俺は今まで全くろくでなしだったし信用しないのが当たり前です。試合が終わっちゃいますよ。もう入りましょう」大岩「もう少し待とう」煙草に火をつけ落ち着かない大作。じっと待つ大岩先生。その時。

    部員たちの声「先生ーッ」「みてみろ!奴らはやっぱりあんたを信じていただろう」大作は何度も大きく頷く。その胸にこみあげてくるうれしさをかくしきれない。「先輩!遅くなってすみません」と出目(矢野間啓治)は汗だくで二人のところに走って来た。続いて金田(木村豊幸)が、「何しろ東京ってところは初めてだもんで」と走ってきた。次々と集まってくる。「よく来た。俺は信じてたよ」

   若さはつっ走る。信じあう仲間と、大きなかたまりになって球場を!つっ走る!。.

   「これが青春だ」の脚本には、須崎勝彌、井出俊郎、桜井康裕、倉本聰があたっていた。この「ホラ吹き大将故郷へ帰る」の巻では、初期倉本作品であり、その長セリフにも彼の特徴をよくううがうことができる。

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