ハン・ジヘが語る素顔のイ・ドンゴン
イ・ドンゴンの「B型の彼氏」が予想外に面白かったので、イ・ドンゴンの魅力について書いてみたい。彼は1998年に「僕の願いがあの空に届きますように」で歌手デビューしている。映画「B型」の劇中でもギターを弾きながらハミの家の前で「アンド・アイ・ラブ・ユー・ソー」を甘い声で歌っている。韓国では「キンカー」という言葉がある。もてる男、いい男、かっこい男、という意味らしい。イ・ビョンホンのようなタイプをいうのだろうが、日本の女性の好みからいうと、ぺ・ヨンジュンやイ・ドンゴンが正統派キンカーかもしれない。むかしアラン・ドロンの売り出しの頃「お嬢さんお手やわらかに」(1958)という作品があった。甘いマスクの青年が、ミレーヌ・ドモンジョ、パスカル・プチ、ジャクリーヌ・ササールの三人の美女にモテモテで追いかけまわされるという、たわいもないドタバタ・コメディーだった。あのフランス映画に比較すると、「B型の彼氏」という韓国映画は楽しいハートフル・コメディーに仕上がっている。イ・ドンゴンはドロンのように多数の大学の女学生からもてまくる。行動力も金銭感覚もあるハンサム男だが、性格があまりにも自己チューの最低男であるという設定がユニークである。
この映画でとくに注目されていいのは、ハミ(ハン・ジヘ)と同居している従姉のチョヨン(シン・イ)の存在であろう。結婚相談所に勤めるチョヨンはB型男子嫌悪症で、ハミとヨンビンの仲を妨害する。ハミの服を全部洗濯したり、ヨンビンがサウナに住んでいてお金のないことや、乱れた女性関係を携帯画像で撮影してハミに見せるなど、あらゆる手段であきらめさせようとする。しかしかえって逆効果となりハミはヨンビンをあくまで信ずる。韓服を着てハン・へジが映画デートをするシーンは楽しい。
ところでこの映画の重要な役であった従姉のシン・イだが、シニという芸名のほうが知られているだろう。「女校怪談」(1998)「セックス・イズ・ゼロ(色即是空)」(2000)「偉大なる遺産」(2003)「浪漫刺客」(2003)「霊リョン」(2004)「バリでの出来事」(2004)「シンソッキ・ブルース」(2005)「スーパーファミリー」(2005)「家門の危機」(2005)「救世主」(2006)など多数ある。個性的な役が多いが、お茶目でカワイイ。めがねをはずすと美人だ。イ・ドンゴンが彼女を手なずけるための作戦で、イ・ヒョヌ(「屋根部屋の猫」の室長)を紹介する場面がある。B型嫌いだったのにあっさりと漢江のドライブで陥落するシーンは笑える。シニは「女イム・チャンジョン」と呼ばれているそうだ。「B型」の結論は、シニの最後のセリフ「恋する男女に血液型なんて関係ないわ!」だった。シニは「救世主」で映画初主演を果たし、今もっとも注目されているコメディアンヌなのだ。
ハン・ジヘは日本ではユン・ソクホ監督の「夏の香り」のパク・チョンア役でよく知られるようになった。韓国の芸能界には「悪女を演じると女優の株が上がる」という噂がある。チョンアもミヌ(ソン・スンホン)とへウォン(ソン・イェジン)の恋の邪魔をする意地悪な悪女的存在だった。ところが「B型の彼氏」では一転して、純真でカワイイA型娘を素のままで演技していた。あの一重まぶたが魅力的にみえた。ハン・ジヘは17歳のときスーパーエリートモデル選抜大会に入賞し芸能界入り。「ランラン18歳」で人気が沸騰し、「B型」で映画主演でヒット。共演のイ・ドンゴンとも恋愛中というこまことに幸せなお嬢さんである。
さて、イ・ドンゴンだがデビュー当時はあまりパッとしなかった。あの深田恭子の「フレンズ」にも、ウォンビンの友人役で出演していたが、さっぱり記憶にない。「サンドゥ、学校へ行こう」でも脇役だった。思うに、イ・ドンゴンのようなキンカー(いい男)は、脇はダメである。「B型」のようなダメな色男がいい。個人的には「パリの恋人」のスヒョクや「ガラスの華」のハン・ドンジュも好きだ。「ガラスの華」(ユリファ)では、大女優キム・ハヌルの胸をかりていたが、まだ演技的に未熟な感じがした。その後2005年の休養宣言ではファンを心配させたようだが、「ランラン18歳」と「B型の彼氏」でハン・ジヘとの黄金コンビが誕生して人気が沸騰した。
ハン・ジヘが語る素顔のイ・ドンゴンとは。「誰よりも温かくでロマンチックな男性を演じることが多いドンゴンさんですが、実際の性格は内気で自分の殻に閉じこもりがちで、冷たいという話を聞きます。でもそれは誰もがみんなそうなんだと思います。親しい人の前だと、ドンゴンさんもよく笑い、ふざけて冗談も言います。本当に心から楽しくなければ笑いもしないし、やたらとなれなれしい態度をとりません。だからといって社交性がないわけでもありません。ただステキな外見から想像するイメージと、実際の性格にギャップがあって誤解されやすいみたいです」(「韓国TVドラマ11」)
ハン・ジヘちゃんはドンゴンくんのよき理解者なんだなぁ。
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