阮籍青眼
阮籍は青眼(黒眼)と白眼を自在に使い分けることができた。気に食わぬ者がやって来ると盃を手にしたまま、ぎょろりと白眼でにらんだ。そのかわり、気の合った仲間が来ると、黒い眼を輝かして大盃を傾けた。この故事から、冷淡に扱うことを「白眼視」といい、反対に、心から人を歓迎することを「阮籍青眼」という。(「蒙求」)
しかし阮籍もやはり人の子であった。母親が死んだとき、悲しみのあまり二斗の酒をぐい飲みして、泣いた。そして、数升の血を吐いた。葬式のときにも、母の亡がらにすがりつき、酔眼をみひらいて、弔問客を黙って見つめていたそうである。
阮籍(210-263)。字は嗣宗。陳留・尉氏(河南省開封県朱仙鎮南西)の人。晋の時代、官吏となったが、司馬氏の専横のため、世塵を避け、酒を飲んで紛らし、隠遁生活したことで知られる。阮籍は父の阮瑀(げんう)についで文学に名をはせ、思想家としては嵆康と並んで時代を動かした。竹林に遊び、酒に酔いしれては、清談にふけったので、後世、「竹林の七賢」(阮籍、嵆康、山濤、劉伶、阮咸、向秀、王戎)の代表的な一人となる。
竹林は薮蚊の多き所とて
知らでうかうか遊ぶ生酔い
(蜀山人)
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