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2007年7月28日 (土)

ニーチェの青春の坂道

「淋しくなると訪ねる 坂道の古本屋

立ち読みをする君に 逢える気がして」

と岡田奈々ちゃんが歌う「青春の坂道」。

    哲学者ニーチェも学生時代、生まれ故郷のレッケンという村を離れて大学に通うためライプツィヒの下宿生活をしていた。1865年の10月末か11月の初めのある日、坂道にあるブルーメンガッセという名の小さな古本屋の店頭にある本に目がいった。ショーペンハウエルの「意思と表象としての世界」(1819)との運命的な出会いであった。ニーチェ22歳のときである。いつもは本をすぐに購入しないのに、この時ばかりは「あるデーモンの囁き」に従ってこれを購入し、下宿に帰ってただちに読み始め、寝食も忘れて2週間読みふけった。

    現代思想の先駆者を一人だけ挙げよと言われて、ニーチェと言われる哲学者は多い。21世紀の今日でもなお、哲学のみならず、あらゆる現代文化に大きな影響を与えている。新潮社のPR誌「波」に木田元が「反哲学入門」を連載しているが、わかりやすい内容である。ニーチェの「悲劇の誕生」(1872)は明らかにショーペンハウアーの「意思と表象としての世界」の影響下に生まれたものである、としている。(「波」2007.6)「デュオニュソス的なもの」は「意思としての世界」、「アポロン的なもの」は「表象としての世界」のとらえなおし、そしてショーペンハウアーの「意思としての世界」はカントの「物自体の世界」の、「表象としての世界」はカントの「現象界」のとらえなおしとしている。さらにカントは、ライプニッツがモナドの二つの根本特性と見た「意欲」(アペテイトウス)と「表象」(ペルケプテイオ)から受け継いでいる。ようするに高校の倫理にある西洋思想の系譜の一番重要なところ、つまりドイツ形而上学の系譜を木田はわかりやすく説明しているに過ぎない。しかしこの系譜の中にシェリングやヘーゲルらも入ってくるので、話はやはり込み入ってきそうだ。

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